シャルム・ッシェーフ

 旅に出ていて更新できませんでした。すいません。旅行中の日記を順次アップしていきます。
9/21
 ラマダーン明けのイード・ル=フィトルで暇なので(日本のお正月状態)、D氏の誘いに乗ってシャルム・イッ=シェーフに行くことにしました。
 シャルム・イッ=シェーフはシナイ半島南端のビーチリゾート。カイロからはバスで7時間ほどです。
 例によって計画性もなく、とりあえず必要そうなものをバッグに詰めて、トルゴマーンの長距離バスターミナルに向かいます。途中でサンダルが壊れるトラブルがあり、2ポンドでおじさんに直してもらいつつトルゴマーン着。
 長距離バスターミナルということで、薄汚い場所を想像していたのですが、ショッピングモールと一体化した新しくて近代的な建物でした。新宿駅西口のバスターミナルの百倍綺麗です。
トルゴマーン長距離バスターミナル内部
トルゴマーン長距離バスターミナル内部 posted by (C)ほじょこ
 シャルムへのバスは一日に何便も出ているのですが、イード中ということもあってか、当日乗れるのは19:30の便のみ。3時間くらい待つ羽目になって迷ったのですが、引き返すのも馬鹿らしいので、モールをうろついたり勉強したりして暇をつぶしました。ファラーフィルのサンドイッチ(3.5ポンド)を食べる。
 バスの中はほとんど欧米系の観光客。アメリカ人がやかましいです。隣のエジプト人青年が英語の本を読んでいて、わたしも勉強していたのですが、すぐに消灯されてしまい、青年もチッと舌打ちしてあとはナッツをポリポリしていました。
 途中でトイレが壊れるトラブル発生。車内に臭い匂いが立ち込めて、乗客一同かなりバッド。こういう時は、決して黙って我慢したりしないエジプト人が頼もしいです。「臭い、なんとかしろ」と騒ぎ立てた結果、途中で砂漠の真ん中でバス会社の関係らしいエンジニアが応援に駆けつけ、何とか解決。
 7時間の行程中、何度もゲートで止められ、そのたびに全員のパスポートかIDを確認されます。「シャルムまで20キロ」の看板が見えたところで、アメリカ人が歓声をあげていました。
 夜中の3時すぎにシャルム・イッ=シェーフ着。例によってタクシーの客引きが寄ってきますが、当然スルー。
 Dさんに電話したのですが、もう寝ているのか返答なし。完全に想定内なので、少しも不安になりません。基本、一人ですべてやらないとだめです。むしろ気楽で楽チンです。
 とはいえ、初めての土地で真夜中、砂漠のど真ん中の一本道に取り残されて、さすがにちょっと心細いです。真っ暗な中をひたすらハイウェイだけが続いていて、飛行場みたいです。
 大通りまで歩きながら「どうしたもんかなぁ」と考えていると、タクシーが寄ってきたので「いくら?」と聞くと、「25ポンド」とあり得ない価格提示。「いらん」と言うと20ポンドでいいと言いますし、シャルムでは相場なのかも、と少し不安になりますが「歩くからいらん」と言うと「町まで5キロだ」と教えて去っていきました。
 夜で涼しいし5キロなら歩くか、と思ったのですが、万が一道に迷って夜が明けたりしたらシャレになりません。大通り沿いに立っている人がいたので尋ねたところ、マイクロバスが通るとのこと。
 待っているとマイクロバスが来たので「シャルム・イル=ミーヤ行く?」と尋ねると「シャルムのどこや」と笑われます。もっともですが、地名も全然知らないし、自分でもどこに行くかわかっていないので、答えようがありません。「オールドマーケット?」と言うので、それが何なのかわからないまま「アイワアイワ」で乗り込みます。
 マイクロバス3ポンド。驚きの高値ですが、ぼったくりではなく相場です。正確には、シャルムとハリーグ・ッナアマ間が3ポンドで、バスターミナルまでなら1ポンドで乗れることもある、と後で知ったのですが、とにかくカイロやアレキサンドリアではあり得ない値段です。
 シャルム・イッ=シェーフは、大雑把に北のハリーグ・ッナアマ(ナアマベイ)と南のシャルム市街の二つの地区から構成されていて、北がお高い高級リゾートということは知っていました。長距離バスターミナルは、二つの地区のちょうど真ん中あたりにあります。
 ちなみに、この真ん中のエリアは観光産業などで働くジモピーの住宅地になっていて、砂漠の真ん中に突然巨大なガーマがあり、なかなか壮観です。
 後日撮影したシャルムのガーマ。
シャルム・ッシェーフのガーマ
シャルム・ッシェーフのガーマ posted by (C)ほじょこ
 イッ=スーゥ・ル=アディーム(オールドマーケット)は南の市街の中心にあるスーク。とはいえ、カイロで「スーク」と言われて連想するような場所では全然なく、完全に観光地です。後になってナアマベイよりは大分薄汚いとわかりましたが、いわゆるスークより圧倒的に綺麗なアミューズメント拠点です。
 時間的にほとんどの店が閉まっていたのですが、一通り回った後、結局イッ=スーゥ・ル=アディームの南ゲート入ってすぐ右にあるイル=マスリイーンというマタアムに入ります。バスで何も食べなかったので結構飢えていて、「シャルムだから魚がおいしいだろう」と「ボリ・マシュウィー、ボリ・マシュウィー」と歌のように口ずさむ勢いでウキウキしていたところ、「魚はない」と衝撃の返答。
 ションボリしたのですが、先に持ってきてくれたサラダが新鮮でおいしそうです。これは良いマタアムの証拠。店員さんの勧めで、やむなく鳥のグリルとロズ・ビ=キブダを頼みました。
 結果としては、大正解。暇な時間だったせいか出てくるのも早いし、おいしいし、アイマードعيمادというおっちゃんがとても親切で、わたしの下手糞なナイフさばきを見かねてか、肉を切り分けてくれたりしました。
 お値段23ポンド。大衆食堂よりはレベルの高いマタアムであることを考えると、全然高くないです。カイロなら普通くらいですが、シャルムという前提なら激安と言っても良いです。イル=マスリイーン、超おすすめです。オールドマーケットに行くならイル=マスリイーン!
 後日撮影したオールドマーケットとイル=マスリイーンの写真です。
シャルム・ッシェーフのオールドマーケット入り口
シャルム・ッシェーフのオールドマーケット入り口 posted by (C)ほじょこ
シャルム・ッシェーフのマタアム・イル=マスリイーン
シャルム・ッシェーフのマタアム・イル=マスリイーン posted by (C)ほじょこ
 食事中にD氏から電話があり、スークまで迎えに来てくれます。彼が仕事で宿泊しているSANDY HOTELという宿にチェックイン。150ポンド(朝食つき)。安くないですが、シャルムでエアコンもついているということでは、かなり安めだと思います。シャルムにはいわゆる「安宿」はほぼないんじゃないのではないでしょうか。すべてのホテルが中級以上、という印象です。
 部屋はお値段相応程度で、トイレットペーパーがあったのが感動的でした。タオルやシャンプーはなかったですが、タオルは頼んだら持ってきてくれました。
 驚いたのが、レセプションの脇に黒いラブラドールレトリバーがいたこと。エジプトでは宗教上の理由から、飼い犬は非常に少ないですし、野良犬は大量にいますが、どれも薄汚くてやる気がなく、時々危険な生き物です。人懐こくて賢いラブラドールなんて、初めて見ました。ヨーロッパのようです。犬の名前はウォッシ。多分watchのことで、エジプト式にchをshで発音しているのでしょう。
 夜明けすぎに就寝。
 ちなみに、Dさんは仕事で来ているだけなので、結局このときを含めて数回顔を合わせただけで、まったく行動を供にしませんでした。
シャルム・ッシェーフのサンディ・ホテル中庭
シャルム・ッシェーフのサンディ・ホテル中庭 posted by (C)ほじょこ

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