カイロでのアパート探し、アーンミーヤに苦しみ続ける

 昨日中に入れなかったシャッカ(アパート)を見せてもらうべく、再度訪問。
 日本風に言えば2LDKで6階中の5階(エレベータなし)。あまり綺麗な地区ではありませんが、建物の周囲自体はうるさくなく、メトロの駅もスーパーも近いです。
 二部屋のうち一つがベッドルーム、一つが子供部屋(ベッドあり)で、子供部屋は全然使わなさそうです。
 マフルーシュ(家具一式付き)で、家具自体はもちろんボロいですが、賃貸しするのは最初(つまり家主が転居して最初の賃貸)ということで、条件は良いと思います。日本ではちょっとお目にかかれないような年代物のテレビもあります。チョップして白黒で映れば文句なし。
 電化製品と水周りを一通りチェック。
 トイレの水は流れが悪いですが、水が貯まるのを待って「えいっ」と流せば十分使用可能。これくらいは普通でまったく許容範囲。ホテルのトイレでも、日本みたいにガンガン水が流れるところはかなり高級だと思います。というか、そんな神経質に水流しまくる日本の方がおかしいです。
 シャワーの水とお湯も正常。一度元栓を締めるとマッチで火をつけないといけませんが、ガスの種火はつけっぱなしにして使っていたようなので、多少不用心ですがわたしもそうするでしょう。最初茶色いサビ水が流れて来ましたが、その後普通の水になったので、これも許容範囲。わたしの東京の部屋も、突然熱湯になったりするポンコツなので(シャワー中は絶対油断できない)、大差ないです。
 ガスコンロもマッチで火を付ける方式ですが、ちゃんと動くし問題なし。四口プラスグリルとオーブンなんて、人生で一番ゴージャスなキッチンです。
 夫婦のベッドルームにボロボロのエアコンがあり、一応動作するものの調子が悪いので、これは大家負担で修理。
 洗濯機と掃除機がなかったので、これも大家負担に。バウワーブ(門番)の娘さんに頼めば、掃除とか洗濯もお願いできる、とのことでしたが、自分でやりたいので洗濯機は欲しいです。
 エアコンは修理してもそんなにまともに動く気がしないので、移動できる扇風機を大家負担で購入するよう交渉し妥結。これからの季節は扇風機だけで十分でしょう。エアコンは望んでもいないことだったので、ラッキーでした。
 ネットについては、こちら負担で手配することで決着(これは普通でしょう)。
 家賃は2000ポンド(約4万円)で、シムサール(不動産屋)に1000ポンド、保証金として2000ポンド(後で返却される)、全部で初期費用5000ポンドということになりました。不動産屋への料金は分割でもいい、とのことでした。
 最初ケチケチして探していたので、予定よりは高い家賃になりましたが、十分な戦果だと思っています。モハンディスーンやザマーレクなら倍くらいするのではないでしょうか(よく知らない)。
 現在の滞在地からも近いので、周辺の勝手はよく知っています。大通り沿いと近くの広場の喧騒・渋滞は殺人的ですが、部屋が良くてメトロが近ければ文句ないです。
 「メトロの駅が近い」というのは、本当に有難いです。カイロ市内はバスやマイクロバスが縦横無尽に走っていますが、これは乗り降りにエネルギーが要るので(笑)、よく使うルート以外に行こうとすると、いちいち冒険しなくてはなりません。タクシーは高くてとても乗れません(わたし基準)。その点、メトロはバスと同じくらい安くて、東京並に簡単です。
 居場所が決まったら、なんだかもっと長居したくなりました。仕事探してこっちに住みたいです。仕事がなくても年末くらいまでは勉強だけでいるつもりですし、本格的に移り住むなら、東京の部屋を始末しないと生活できませんが、さんざん迷走した甲斐がありました。
 アラビア語のできるオープン系開発者(C# .NETが一番得意)のご用命は是非当社へ! 足のサイズは39です(しつこい)。
 先日お会いした日本人様、例の場所で結局決まりましたよ! 地名を聞いて「えぇ!」という反応をされていましたが、気合でこの粉塵の中で生き延びます! 鼻毛伸びそうです!
 あとダーリン、カイロに来て結婚しよう! 最近涼しくなってきたよ! もう子供部屋もあるよ!
 それにしても、相変わらずみんなのアーンミーヤになかなかついていけません。
 わたし向けにフスハーに言い換えてもらうと分かるのですが、曲がりなりも同じアラビア語なのに、通訳してもらうのは心苦しいです。フスハーもまだまだですが、生活の為に一刻も早くアーンミーヤ力をあげないとつまんないです。
 仕事が見つけられれば仕事中心の生活になるでしょうが、見つからなくても経済的に苦しいので、今の先生との授業は一日2時間週5日くらいに減らすつもりです。この学校はかなり割高なのですが、付き合いも長いし勉強以外でかなり助けてもらっているので、丸っきり切ってしまいたくはないです。
 それで仕事がなかったら暇で仕方がないので、安い学校を探して併用するようにしようか、考え中です。
 今日はアーンミーヤの日(最近はフスハーと半々にしている)。
 文字の書けば簡単なのですが、あまりにも発音が違って辛いです。また、頻出語彙がフスハーと違う部分が多く、苦しめられます。文法そのものはフスハーよりずっと簡単なのですが、本当にラテン語とフランス語くらい距離があります。
 発音については、誰でもそう感じるでしょうが、قがأになるのが耳で聞いてまったく違うので、知っている単語なのに聞き取れません。前に「ビトゥウーリー」と言っているので「なんじゃ」と思ったらبتقولي(フスハーならتقولينタクーリーナ)、「あなた(女)が言っている」というだけで、超基本なことが理解できていなくて、ションボリしました。むしろ難しい語彙の方が、フスハーとの差が少なくて簡単です。
 基本語彙でも、フスハーならجلسという場面はقعدというし(基本語義はフスハーと同じで頻度逆転)、しかも発音がフスハーと違います。「わたしは座っている」なら「アアアド」(三つ目のアだけ喉から出すアイン)で、「なんじゃそりゃ」状態です。انتقلはنقلだし、انتظرはاستنだし、طلعはフスハーなら「登る」というのが基本語義ですが「出る」の意味で使うし、وضعはحطだし(基本語義はフスハーと同じで頻度逆転)、جعلはخلىだし、لبسはارتدىだし、انتهىはخلصだし(これが有名な「ハラース」)、もう「どんだけ!」って感じです。これでは、普通のエジプト人がフスハー習得に苦労するのも当然です。
 アーンミーヤは生活上必須ですが、個人的にはやっぱりフスハーが好きです。そして、救いなのは、フスハーが苦手なエジプト人ですら、大抵の場合はフスハーが好きで、下手糞なフスハーでも「勉強しているね」と評価してくれることです。
 多分、同じくらい下手糞なアーンミーヤを喋っても「だから?」くらいの反応だと思います。エジプト人もフスハーは「お勉強」で身に付けるものなので、こっちの苦労がある程度理解できるからでしょう。
 それではフスハーなら自信があるかというと、まったくそうではなく、二足の草鞋になった分、更に進歩が遅れていて、ちょっと小難しい文章になると七転八倒しています。簡単な日常会話はアーンミーヤで、小難しいこととか公式・宗教的な場面ではフスハーを使うものなので、「日常会話レベルのフスハーが喋れる」というのは、実質使える場面がほとんどないです(笑)。
 普通のエジプト人は、「フスハーを勉強している」というと、偉く学問的な立派なことをやっているような印象を受けるようで、クルアーンとかハディースの難しいフスハーを持ち出して「勉強しているならわかるだろう」みたいな扱いを受けることがあるのですが、そんな高級なものをスラスラ理解できるようなら、エジプトくんだりまで修行に来ていません。
 アーンミーヤの授業の後、フスハーの自習を2時くらいまでやって一日終了。
 最初は「アーンミーヤの宿題」というのもあったのですが、アーンミーヤを「書く」というのはどうにもしっくり来なくて、アーンミーヤは宿題なしで授業以外は日常で使うだけで、宿題や自習は専らフスハーにさせてもらっています。フスハーは癒されます・・・。
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ラマダーンのファワーヌース posted by (C)ほじょこ

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