すっかりラマダーン時間でノロノロ起きる。エジプト人は未明に食べて二度寝とか深夜に食べて寝るようですが、こっちはイフタール以外は軽く夜食を食べたくらいなので、起きた時点で既にお腹が減っています。
飢えと乾きと戦いながらバスでラムスィース駅へ。行動している方が楽です。
カイロ市内のバスの仕組みは複雑怪奇、というか、バスというのはどの都市でも地元民以外には難しいものですが、「○○に行きたい!」と叫んでいると、そのうち「あのバスだ」とか「あのおばちゃんが○○に行くから一緒について行け」とか教えてくれる人が現れます。
ラムスィースとかタハリール方面は、わたしの滞在地近くだと道路の真ん中に立って待つことになるのですが、車の危険より直射日光が辛いです。
エジプトに来たころはタクシーによくお世話になっていましたが、今では市内の移動に10ポンド(約200円)なんて「あり得ない」金銭感覚になってしまいました。バスなら約10円です。
中途でバスから降りたければ、減速したタイミングで後ろのドアから飛び降りれば良いのですが、この時、後続車両に気をつけた方がいいです。慣れないとつい飛び降りるタイミングに気がいってしまい、わたしは一度降りて速攻轢き殺されそうになりました。
バスに乗る前にサングラス購入。日本から持ってきていたのですが、テキトーにバッグに放り込んでいたらフレームが曲がってしまったので、エジプトの女の子がよくしている派手なフレームのサングラスを新たにゲットしました。少し値切って20ポンド(約400円)。先生に聞いてみたら適正価格だったので安心。日本でも1000円であるし、この手の工業系はあんまり安くないです。
バスでぼんやりしていたら、何を血迷ったのかハッと行き過ぎた気がして、逆にちょっと手前で降りてしまいました。ラムスィースに着いたら大量に降りるからすぐわかるに決まっているのに、本当にボケています。
ラムスィースのそばのガーマ・イル・フェトフで、前から欲しかったカバーつきのポケット版クルアーンを購入。7ポンド(約140円)だったのですが、10ポンド出したら「お釣りがない」と言われ、小銭をかき集めたら6ポンド75ピアストルしかなくて、「これで勘弁して」と期せずして値切ってしまいました。本来値段より多めに出してもいいものなのに、申し訳ないことをしました(こういう「小銭がないなら、もう持ってる分だけでいいよ!」な場面にはよく出会います)。
これを電車やバスの中で小声で読んでいる男の人によく出会うのですが、女性はあまり見かけません。何か問題があるのかと思って先生に確認したところ、声に出さなければ別に構わない、と言っていました。
ちなみに、ガーマ・イル・フェトフのミウザナ(ミナレット)は、とんがった感じが宇宙船みたいでカッコイイです。ガーマ・ホセインのミウザナも好きです。
エジプト人のノリが伝染ってきて、値段の話をやたらするようになりました。というか、何か買い物をしたら必ず「いくらで買った?」と聞いてくるし、こちらも相場感覚を磨きたいので、仲間内で値段を確認し合うのは実際に役に立ちます。
ラムスィース着。
今度のお休みに一人でアレキサンドリアに行こうと、切符を買いたかったのです。列車の時間も分からないまま、一番早い電車で出発して、一番遅い電車で帰ってこようと思ったのですが、最初窓口のおばちゃんにうまく伝えられず、おばちゃんが露骨にイヤな顔をするわ、後ろに人が並んでいるわで、一回撤退。
もうちょっと話がわかりそうなおっちゃんの窓口に並ぶも、エジプト人は列に並ぶなどというまどろっこしいことをしないので、どんどん割り込まれます。負けずにこっちも突進して、変なフスハーで叫ぶと、アレキサンドリア行きの切符は出してくれたものの、帰りの切符の件が理解してもらえません。
横にいた若者が、わたしの意を汲んで説明してくれて、購入成功。この若者のアーンミーヤは完璧理解できたのですが、同じことが自分の口からスムーズに出てきません。若者の横から「そう、そう、その通り!」とか合いの手を入れてバカみたいでした。
この「叫んでいると誰か助けてくれる」というのは、非常に多くの場面で経験します。「窓口系」の人たちが不親切なのは万国共通ですが、エジプトは制度が日本の百倍無愛想な代わり、困っていると周りの人が必ず助けてくれます(ただし、その前にちゃんと叫んだりわめいたりすること)。この辺の人情パワーには頭が下がります。
ちなみに、ムスリムがラマダーン中に家族を離れて旅行するのは難しいので、アレキサンドリアは割りと空いているはず、と期待しています。観光地なので、行動不能になるほどお店が閉まっていることもないでしょう。「悪い人だけが行動している」状態でないことだけ、祈っています。
帰りはメトロ。
部屋でしばらく勉強してから、授業前半開始。今日はテストで、最初の口頭試問以外、前半戦はほとんど紙に向かっているだけでした。
そして待ちに待ったイフタール。
昨日・一昨日のイフタールが悲惨だったので、今日は授業終了と共にすぐに食料を買いに行きました(もちろん先生もロケットのように帰っていきます)。
今日のイフタールは屋台のジュース(1ポンド)と、鳥レバーのサンドイッチ(3ポンド)、タマル(干したナツメヤシの実、値段忘れた)です。

ジュースは普通、その場でコップに入れてもらって飲むのですが、ラマダーン時だけこういう「お持ち帰り」袋が売られています。部屋で空ペットボトルに移し変えたのですが、考えてみるとペットボトルを持っていけばその場で入れてくれそうなので、今度試してみます。
タマルは、ラマダーンの定番おやつですが、栄養もあって自然な甘さがすごく美味しいです。
見た目が乾燥しきって硬そうで、最初はどうやって食べるのかと思ったのですが、洗ってそのまま齧れます。中の種だけ吐き出します。干し柿みたいな感じです。
トルコのイチジクとかは、日本でも輸入食材として売られていることがありますが、ナツメヤシはあまり見かけません。健康くさい煽り文でもつけたら、結構売れるのではないかと思うのですが。
通販では扱っているところがありました。
無添加・無漂白・無農薬 種無し ナツメヤシ 1kg
先生から電話がかかってきて、後半授業開始が10時半に変更。ちょっと暇になったので、少しウトウトしてから、先日知り合った日本人学生のKさんと電話。日本語を話すとハイになります。
「食べないのは大丈夫だけど、水を飲めないのが辛い。みんなこっそり隠れて飲んでるんじゃないの?」と盛り上がる。絶対身体に悪そうなので、水だけは飲むようにするかもしれません。ちなみに彼は断食していないそうです。しようよ断食!
少しネットにつなぐ。
最近、グランドフロア(一階)でしかつながらないと思っていた無線LANが、吹き抜けの階段付近ならわたしの滞在している階でも接続できることに気づき、階段に座ってネットにつないでいることがあるのですが、仲良しになった宿の人が通りかかると「そんなところじゃなくこっちに来て座れ」という話に必ずなります。階段からちょっと離れるともう無線LANが使えないので、そう説明するのですが、いつも通用しません(笑)。
タマルのお陰か、授業後半戦は好調。前半とは別人のように上機嫌で乗り切る。
ちょっと深夜のお散歩をして一日終了。

エジプトのおしゃれバイク posted by (C)ほじょこ

ガーマ・イル・フェトフ posted by (C)ほじょこ
好き好きタマル(ナツメヤシ)
エジプト留学日記