家族のいないラマダーンは東京のお正月に似ている、自己流アラビア語勉強法メモ

 ラマダーン下での授業開始。イフタール前とイフタール後に時間を二分割してもらいました。その方が集中力も続くし、良い感じです。
 エジプト人は夜明け前に軽く食べて、それから二度寝する人が多いようですが、こっちはそんな生活に慣れていないので、結局昨日はイフタールの一食しか食べず、お昼過ぎくらいに結構辛くなってきました。人と喋っていると気にならないのですが・・。
 ラマダーンにまとめて食べてかえって太る、というのは有名な話です。今のところラマダーン用のスペシャルお菓子などには手を出していないのですが、わたしも少し自分に甘くなって、コクテール(フルーツブロック入りジュース)を飲んだりしています。季節のフルーツ盛りだくさんで約40円。街のジュース屋さんならどこでもあります。
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夜のジュース屋さん posted by (C)ほじょこ
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コクテール posted by (C)ほじょこ
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ファーヌースのある通り posted by (C)ほじょこ
 ラマダーンは基本的に家族と過ごす季節なので、一人ぼっちのラマダーンは、東京のお正月みたいで結構寂しいです。
 イフタール時に出歩かない方が良い、と学んだので、今日はイフタール前に買ったパンと木の実を部屋で齧る、という、なんとも惨めな断食明けでした。
 転居先が決まらないままラマダーン入りしてしまい、ただでさえも非効率的な社会が更に停滞し、一体この先どうなることやら、まるで見通しが立ちません。帰国時期も決まらないままです。
 良いフラットを見つけられたら、仕事を探して働きながら滞在することになるかもしれません。そういうのも、ちょっと人に相談すると「任せろ!」「簡単だ!」みたいに話だけは盛り上がるのですが、いつも具体的なところに辿り着く前に、うやむやになります(笑)。
 毎日「もっといたい」「もう帰りたい」がグルグル回っています。
 ネタがないので、自分の勉強法のこととかちょっとメモってみます。
 わたしのアラビア語学習は、最初独学から始まって、エジプト人の先生に師事するようになり、今はエジプトくんだりまでやってきて、今に至るまで一度も日本人にアラビア語を教わったことがありません。というか、アラビア語のできる日本人に会ったことも、ほとんどありません。
 先生はまったく日本語ができないし、英語もあんまり上手ではないし授業中は使わない方針なので、専らアラビア語でアラビア語を勉強する形になっています。アーンミーヤの勉強の時だけ、フスハーに言い換えてもらうことはよくあります。
 まったくの入門段階では、母国語で説明してもらうのが一番だと思うのですが(日本語で出版されている入門教科書を一通り理解するまでのレベル)、そこから先はこのやり方でも何とかなるし、わたしはこれで良いと思っています。
 どんな言語でもそうですが、単語の意味一つとっても、「その言語内での相対的な位置づけ」を感じられなければ、訳語と一対一で覚えても使えません。アラビア語の場合、日本語の辞書環境が厳しいだけに、良くも悪くも結局アラブ人に直接聞くことになります。
 説明の難しい概念などは、辞書をひいて調べた方がいいですが、授業中は辞書を使う余裕がないので、どうしてもわからないところは先生に尋ねて例文やら同義語を教えてもらい、類推しています。
 わたしの教科書やノートには、そこから推測した変な日本語メモが溢れています。例えばإقطاعية(封建制度)という単語のところには、鉛筆で「金持ちだけが土地を持つ。働かされる」とか、小学生みたいな説明がついています(笑)。
 さすがに「金持ちだけが金を持つ」だけではおぼつかないので、授業後に一通り辞書を引いて「封建制のことだと思ったけど、アタリだった」とか確認しています。時々大勘違いしていることもあるので、確認は大事です。
 多分もっと合理的なやり方もあるし、外語大などでアラビア語専攻されていたりすれば沢山情報があるかと思うのですが、一人で始めて一人で勉強して一人でエジプトまで来てしまったので、他の言語で経験した自己流のやり方で通してしまっています。
 あとは、生活の中で学ぶことですが、フスハーもまったく知らないまま突然アラブ世界にやって来ると、フスハーとアーンミーヤの区別もよくわからないまま方言の海に放り出されてしまいますし、ただでさえも超複雑な文法・発音のアラビア語ですから、日本人が自然に身につけるというのは現実的ではないと思います。しかも、大抵のアラブ諸国では英語かフランス語がかなり通用する、というかフスハーより通じますから(笑)、「アラビア語なまりの英語」ばかり上達してしまう可能性もあります。
 アーンミーヤについては、フスハーができれば日常で習得できるのでは、とものすごい甘い幻想を抱いていたのですが、やっぱり先生に教わりつつ日常で使う、というサイクルでないと、わたしには厳しいです。普通のエジプト人は「外国人にとってのアラビア語」という視点を持っていませんし、質問しても学習者に有用な答えはまず期待できません。
 なお、直近でエジプト滞在を考えている方は、メール頂ければ、多少は学校や宿についてわかる情報を提供できるかもしれません(リアルタイムで具体的なことをブログに書くのは気が進まないので)。役に立つかどうかはわかりませんが・・。

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