クウェートから追放されたエルバラダイ支持者

クウェートから追放されたエルバラダイ支持者

クウェート帰国者と対話
マスアド:クウェートの治安担当官はわたしに言った。「我々はムバーラクを望んでおり、彼を怒らせたくない」
ハリーファ:揉み合いに巻き込まれた。「イル=バラーダイーの大統領への夢のせいで、俺の夢がぶち壊しだ」
 イル=バラーダイーを支持するキャンペーンに参加したことで国外退去となりクウェートから帰国した多くのエジプト人が、彼らの逮捕がクウェート当局の主権決定に基づくものであることを、クウェート治安担当官らが彼らに伝えたことを明らかにした。
 帰国者の一人マスアド・ハサンは、本紙との単独会見で、クウェートの担当官が彼にこう言ったと述べた。「政府が自発的にこの決定を採択した。これにはエジプトではなくここで従ってもらう。我々はムバーラク大統領を望んでおり、彼を怒らせたくないからだ」。
 マスアドは逮捕の詳細を語る。フェイスブック上のクウェートでのイル=バラーダイー支持グループのメンバーらは、多くのエジプトの知識人がシャツとイル=バラーダイーの写真をプリントしたステッカーをハイターン(訳注:クウェート南部の街)のマクハー「イル=アイユービー」で配っているとのことだったので、文化的な集まりを平和裏にもとうとしたところ、集合の二時間ほど前から逮捕が始まった。
 マスアドは、南スッラのクウェート治安本部に連行され、ムハンマド・イル=バラーダイー氏支持キャンペーンがどのようなものなのか尋問され、その後手錠をされクウェート空港に連れていかれた、と語った。彼の他に三人の同僚がおり、クウェート人の担当官らはエジプト大使館への連絡を拒否したという。空港でのエジプト治安官の扱いは良く、すぐに問題なく外に出してくれた、と語った。
 帰国者の一人ハリーファ・アブドゥルハミード・アブドゥルハリームは、クウェート治安当局は、彼がイル=バラーダイーのキャンペーンと関係ないにも関わらず彼を逮捕した、と語った。たまたまキャンペーンのメンバーの集まっていたマクハーにいただけだった。彼は政治とは縁遠い人間で、十二年前からクウェートで働いていた。「イル=バラーダイーの共和国大統領への夢のせいで、俺の夢がぶち壊しだ」と、彼は付け加えた。
 改革連合事務局長ハサン・ナーフィア氏は、クウェートからの帰国直後に逮捕が解かれたことは、治安当局の市民の扱いが改善されたと見る一方、同団がエジプト外務省およびクウェート当局に帰国者の権利回復を要求する予定であり、これが実現されない場合は国連の助けを求めることを明らかにした。
 一方、イル=バラーダイーは昨日、ウサーマ・イル=ガザーリー・ハルブを長とする民主戦線党の代表と会見した。会見は3時間に及び、同氏の述べるところでは、イル=バラーダイーは諸政党に彼が加えているという批判について否定し、これが彼の実像を歪めようというキャンペーンによるものである、とした。
 イッ=タガンムア党は、四月十七日の同党結成34周年記念にイル=バラーダイーを同党本部に招く。同党書記長補佐マグディー・シャラビーは、イッ=タガンムアが同党メンバーの改革連合への参加禁止を決定したと述べた。これは、党員は党のもとで政治活動を行うことを第一とすることによる。
 一方、「イル=バラーダイーを支持する独立大衆キャンペーン」は、クウェートでの事件を受けて海外における運動方針を変更することを決定した。アラブ諸国の当局を刺激しないためで、同キャンペーン筋によると、海外での活動はインターネット上に限定し、集会は行わないという。
 カイロ空港には昨日、クウェートからの別の帰国者四名が到着した。このうちワリード・イル=キットとターリク・サルートは、クウェートにおけるイル=バラーダイー支持団体の主要な活動員とされており、他にアフマド・ガマール、ムハンマド・ガマールがいた。
 イル=キットは、監禁中ずっと目隠しされており、取調べは十二時間続き、連合の資金調達状況とイル=バラーダイーとの関係について集中的に尋問された、と述べた。

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