メルセデス社からエジプト政府高官への賄賂詳細を明かす米国文書を本紙が入手
米国資本取引市場機構の提出した訴状により、ダイムラー・メルセデス・ベンツ社の賄賂についての新たな詳細が明らかになった。同社からの政府による自動車や機器類購入の便宜をはかるためである。
本紙とアメリカ・イン・アラビック通信社は28ページから成る訴状を入手した。これは同社が1998年と2004年に賄賂を提供したことを示すもので、一回目は1,100,000ドイツマルク、二回目は322,000ユーロ(およそ2,500,000ギニー)が、同社のエジプトでの事業と販売を容易にすべく、エジプト高官ーー告訴状に名前は明示されていないーーに提供された。
告訴状によると、支払いはコンサルティング・エジプト社を通じて行われ、この会社が賄賂の隠れ蓑となった。支払いの目的は「エジプト政府組織における消防車と自動車シャーシの購入を保証し、車体と交換部品をメルセデスから購入すること」だった。
これは、世界的なメルセデスが関与した世界規模の賄賂事件について最初に明かされた詳細となる。
アメリカの裁判所は、昨月末に、ダイムラー・メルセデス・ベンツ自動車製造社は、1998年と2004年に、事業円滑化、自動車販売、取引拡大と促進のために、エジプト政府職員に対する二度にわたる賄賂支払いを決めた、と述べている。
ワシントン裁判所は同問題の文書で、賄賂提供は数千万ドルにのぼり、エジプトはメルセデスが賄賂を提供した国の一つである、としている。
告訴状とは別の裁判文書によると、巨大企業メルセデス社は、別会社を通じて賄賂のための金を銀行口座に入れたが、賄賂の中には、税抜きで300,000ユーロを越えるフィアットなどのメルセデスの高級車が、トルクメニスタン政府高官への誕生日プレゼントとして贈られたものも含まれる。
支払い嫌疑には、自動車購入取引の保証としてイラク政府高官に提供されたものもある。
裁判文書によると、この巨大企業は、22の国で米国国際商取引法に違反する腐敗行為に関与しており、これらの国にはエジプト、イラク、トルコ、クロアチア、中国、ロシア、ギリシャ、インドネシア、コートジボワール、ラトビア、ナイジェリア、ベトナム、ウズベキスタン、トルクメニスタン、タイ、モンテネグロ、セルビアが含まれる。
同文書は会社指導部とエクゼクティブマネジャーらが、事業円滑化のために数年間にわたって行われたこの行為を認識していた、と認めている。
この問題が発覚したのは、同社の元従業員がこの問題を指摘し贈賄の中止を求めて解雇されたことを明らかにしたことによる。
同社は二月に、アメリカ法務省と合意できる見込みであり、事態解決のため185,000,000ドルを支払う旨を発表している。
ダイムラー・メルセデス・ベンツが支払った賄賂は、およそ50,000,000ドルの利益を会社にもたらしていた。
メルセデス社からエジプト政府高官への賄賂
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