ミシャーリー・アル=アファーシーとマフムード・アル=フサリー

 以前はمشاري العفاسي(ミシャーリー・アル=アファーシー)さんのクルアーン読誦をよく聞いていたのですが、最近友人の薦めもあってمحمود الحصري(マフムード・アル=フサリー)さんの読誦を聞くようになりました。
 二人ともقارئ(カーリゥ、reciter)として著名な方ですが、アル=アファーシーさんは1976年生まれのクウェイト人、アル=フサリーさんは1917年エジプトのタンタ生まれ(1980年に亡くなっています)と、出身も時代も違います。
 二人の読誦の風格は非常に異なり、アル=アファーシーさんがコブシが効いていて節の大げさな読み方をされるのに対し、アル=フサリー師は淡々とゆっくり読み、エジプトの夏の昼下がりのように、ぬぼーっと時間がのっぺり滞っているような存在感があります。
 タジュウィード(クルアーンの正しい発声法)の素人なので詳しいことはわかりませんが、エジプトで主流のタジュウィード的にはアル=フサリーさんの方が規範として適切だそうです。確かにゆっくりしていて分かりやすいです。
 反面、アル=フサリーさんはクセがなく淡々と読まれるので、「音楽的」な耳への残り方はしにくいです。「音楽的」になるのはクルアーン的には良くないことなので、プラス評価されるべきなのでしょうけれど、聞いていて自然に覚える、という意味ではアル=アファーシーさんの方が楽です。ただ、節回しのメロディーだけが残ってしまい、肝心の内容が覚えられない、というのはありますが・・。
 アル=アファーシーさんの読み方がクウェイト式なのか単に彼の個性なのかよく分かりませんが、印象としては非常に現代的です。実際、テレビなどにも登場する大人気のカーリゥです。若くてイケメン(笑)。
 タジュウィードに良い、ということでアル=フサリーさんを聞いていますが、自分の練習のために一節ずつキチンと聞く時は良い一方、テキトーに流しっぱなしにしているならアル=アファーシーさんの方が覚えやすいなぁ、と、悩ましいです。
 これは想像ですが、おそらくアル=アファーシーさんは個性も人気もあって現代的な読み方をする方なので、「あれでは音楽だ」みたいな批判もあるのではないでしょうか。それもよく理解できます。一方、取っつき易いのも事実で、アラビア語がまだ全然分からない身近な人に聞き比べさせても「こっちの方がいい」と言っていました。
 難しいですね・・。
 ミシャーリー・アル=アファーシーさんのファーティハ。

 マフムード・アル=フサリー師のファーティハ。

محمود خليل الحصري – ويكيبيديا، الموسوعة الحرة
مشاري راشد العفاسي – ويكيبيديا، الموسوعة الحرة

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