某所に某先生のお話を聞きに行く。
聴衆はほとんど男性で、女性は六名のみ。男性の日本人率は2割くらいでしたが、女性は六名中四名日本人で、うち一名は非ムスリム。
「非ムスリム国におけるムスリムの責任」というテーマで、この中には非ムスリム国にムスリム国からやって来たムスリムも、その国で生まれムスリムになった者も含まれます。別段変わった内容が話されたわけではないのですが(講演中でもوسط中庸の重要性が取り上げられていたし)、一点面白いな、と思ったのは、「ムスリムになっても積極的に人々と関わり、社会にコミットしていきなさい」というアドバイス。
欧米などの非ムスリム圏では、ムスリムになることで親兄弟と断絶してしまったり、ムスリムとの付き合いに引きこもり閉じてしまう人もいるそうですが、「それではダメだ、どんどん人と関わり、自分からその国の人々に尽くさなければならない」。
エジプト人は「義を見てせざるは勇なきなり」の精神に充ち溢れていて、正直お節介すぎて鬱陶しいくらいなのですが(笑)、こういう「せざることの不義よりは、まず介入せよ」という倫理観は、単にアラブとかエジプトの気質というだけでなく、イスラームにも由来するものでしょう。
間違いや傷つくことを恐れて何もしないくらいなら、多少自信がなくてもまず関わってみる、という方が称揚される空気がありますし、実際、何でもやってみると意外とうまくいったり、当初の目的は果たせないでも、わらしべ長者的に新たな展開が見えたり、ということはあるものです。
自分に割と閉じてしまう性質があるだけに、胸に刻んでおきたいです。
ちなみに、非日本人ムスリマ二名はチェコ人とアフガニスタン人で、このアフガニスタンの方との共通言語がフスハーで、とても面白かったです。喋るとエジプト方言になってしまうのですが、それは彼女には通じないので、頑張ってフスハーで喋ります。アラブ人なら、非エジプト人でもエジプト方言は大体通じるのですが、非ネイティヴ同士だとやっぱりアーンミーヤは使えませんね。
どっちももっと勉強しないとダメダメなのですが・・。
少数派だからこそ社会にコミットせよ
試論・雑記