国連が告発 アメリカ情報機関のために、エジプトは容疑者を拘束し秘密裏に逮捕している
国連は、エジプトおよび多くの第三世界の国々で、過去九年間に渡り、テロリスト容疑による拘束と秘密監獄への投獄が行われ、彼らの基本的人権が侵害されており、これがアメリカ中央情報局(CIA)エージェントの依頼によるものである、と告発した。
四人の独立調査官は、一年を要した226ページにわたる報告書で、三十人の元被拘束者からの聞き取りに基づき、アルジェリア、中国、エジプト、インド、イラン、ロシア、スーダーン、ジンバブエが、治安上の理由もしくは反対勢力のメンバーであるとして、非公開の場所に監禁している、と述べた。また調査官らは、来たる三月に国連人権委員会に提出される予定の報告書で、犠牲者およびその家族には、補償を受け責任者を告訴する権利がある、と付け加えた。
拷問問題担当として国連に任命されたマンフレッド・ノヴァクを長とする調査官ら、およびテロおよび人権問題担当官マーティン・シェイニンは、秘密裏の拘束の目的は、情報を得たりその人物たちを黙らせるのに、拷問や人権に反する扱いや虐待や隠蔽を容易にすることだ、と述べた。
報告書の述べるところでは、9・11攻撃の後、前アメリカ大統領ジョージ・ブッシュが「テロとの世界的戦争」を宣言し、グアンタナモ刑務所やその他の「ブラックな場所」を設置し、そこに国内法の範囲を超えてアル=カーイダの被拘束者が収監された。また、アメリカ中央情報局(CIA)のエージェントが、そこに特殊な秘密の場を設け、被拘束者から「高付加価値」の情報を引き出した。
報告書は、エージェントが人権に関して評価の低い協力者たちに対し、彼らのために秘密裏の拘束および尋問と拷問を行うよう求めた、と強調している。それらの国々とは、エチオピア、ジブチ、ヨルダン、モロッコ、パキスタン、シリア、タイ、ポーランド、およびルーマニアである。
民主主義推進団前代表ナガード・イル=ブルイーは、エジプト政府が独立委員会を組織し、この報告に対する回答を準備し、これをエジプト国民に公表するよう求め、報告の中にあることは二年前から繰り返されていたことだ、と示した。同時に、人権団体らが政府に対し、自らの立場を表すよう求めた。本紙に対し、エジプトとアメリカ合衆国の関係は戦略的なものだが、それは、この地において相手国のために拷問の罪を犯すまでのものではない、と述べた。
テロおよび人権問題担当マーティン・シェイニンは、およそ五ヶ月前にエジプトを訪れ、外務省、公正省および内務省の責任者らに会い、テロ対策法と人権、拷問の問題についての議論に触れていた。
この問題は英語圏でも大きく報道されているので、真実性の高いものでしょう(例によって現時点では日本語報道が見当たらない)。
ある日突然公安がやってきて、「その後の彼を知る者はいない」なお話は、エジプトでは時々聞くものです。シリアなんかもっと多いんじゃないか、という気がしますが(偏見すいません)。
それにしても「テロリストを炙り出す」なら、最大のテロリスト輸出国であるサウジアラビアがリストにないのはどういうことでしょうね。
CIAの「拷問のアウトソーシング」を扱った映画Rendition。
町山智浩さんによる紹介記事:恐怖のレンディション – ベイエリア在住町山智浩アメリカ日記
全然関係ないですが、スーダンは「スーダーン」が発音が近いし、イランもエジプト人は「イーラーン」のように発音しています(ペルシャ語の正確な発音は知らない)。シリアも「スーリヤー」が近いし、ヨルダンは「ウルドン」、カタールは「カタル」の方がずっと原音に似ています。アルジェリアに至っては「アルジャザーイル(アルガザーイル)」だし、モロッコは「アルマグリブ」でしょう。
ちょっと英語表記の日本語読みに偏りすぎですが(前に書きました)、まぁ「原音に忠実」も難しい話で、結局国名なんてそれぞれの国で勝手に発音しているし、正式国名になるとまたややこしかったりするので、定着している呼び名で良いようにも思います(一応スーダンだけお隣のよしみで「スーダーン」と書いてみましたw)。大体、日本だってジャパンじゃない!
エジプト人もポーランドは「ボーランド」、パキスタンは「バーキスターン」ですしね。わたしも発音なんて自信ないし、なるべく似た感じ、くらいで良いんじゃないですかね。

