ファールーク・フスニーとハワース、遺跡取引法で野党と無所属議員に協力を求める
文化相ファールーク・フスニーと遺跡最高評議会議長ザーヒー・ハワースは、野党と無所属の下院議員に、遺跡の国内取引を認める法案通過を阻止するよう、協力を求めた。ハワースは、昨日の下院立法委員会会議にて、この法案が採択された場合に、今後二年間にエジプトが見舞われるであろう惨事を語り、遺跡調査において非合法な発掘が広まるだろう、と警告した。
ハワースの語ったところでは、下院立法委員会が合意した遺跡保護法第八条の条文では、遺跡所有者は、2010年三月初日から二年間の間に遺跡最高評議会に記録のための届け出をすれば良いことになっている。
エジプトが遺跡発掘「ブーム」に見舞われ、多くの遺跡が盗掘されないように、二年間という期間に反対し、これを六ヶ月とするよう、ハワースは求めた。
スルール氏は、予算委員会議長アフマド・イッズに、アラビア語に翻訳されたイタリアの遺跡保護法の条文を送られたが、それは責任者の許可を得た後の特殊な遺跡の扱い方を制限する、あるいは単に届け出させるだけのものだった、と語った。
スルールは、国民党議員に対し国民党議員ムハンマド・ディウィーダールに、遺跡の種類を限定するための遺跡最高評議会議長を長とする高等委員会を組織するよう提案するのを拒否した。スルールは議員たちにこう語った。「これは侮辱的なことだ。我々が遺跡保護をわかっていないと言っているんだ。委員会が何だ、酷い話だ。エジプト議会の不名誉とならないためにも、これ以上立法を遅らせるのはお断りだ」。
ザクリヤー・アズミー氏は、エジプトにおける遺跡の定義は1912年から定められている、と延べ、スルールに同意した。「遺跡とは、エジプトの地にあり、歴史的価値のあるものだ」。文化相ファールーク・フスニーとザーヒー・ハワースは、遺跡最高評議会に戻り、野党および無所属の委員に、移動可能な遺跡の取引を認めるどんな条文にも賛成しないよう、また動かせない遺跡の処分や売却を制限するよう、協力を求めた。
ザクリヤー・アズミー氏はこう語った。「遺跡取引の門戸が開かれれば、不名誉も晴らされる」。スルールは、法案は来週中には最終的に採択される、と述べた。
本紙は、国民党幹事長アフマド・イッズが、遺跡の国内取引を認めさせるべく文化省に提出した検討書を単独で報じていた。これが大臣と遺跡最高評議会議長が拒否したものだ。検討書が通過した場合、あるいは法が改正された場合、二人は辞職する、と強弁している。
法案に賛成の議員が「我々が遺跡保護をわかっていないとでも言うのか」という内容の発言をしていますが、その通り、わかっていないんじゃないんですかね(笑)。
一部の識者以外、特に観光産業で働くエジプト人は、手っとり早く「父祖の宝」を換金することしか考えていないでしょうし(別にエジプト人に限った話ではない)、制限を緩めれば文化保存的にはマイナスではないかと思います。
でも個人的には、ガンガン商売道具にしたら良いと思っています。結果的にエジプト経済が自分で自分の首を締めることになるなら困りますが、そうでないなら、遺跡だのミイラだのは一般エジプト人にとってそれ自体としての価値など皆無ですし、フィルアウニー(イスラーム以前)なものなら、本来ムスリムにとってはマイナス価値すらついても良いものです(そんな極端な考え方をする人は少数派ですが)。
遺跡の価値なんて、所詮学者と遺跡マニアだけのものなのだから、庶民の生活レベルが多少でもマシになるなら、売るなり焼くなり好きにしたらいいでしょう。
さらに極私的に極端なことを言えば、墓を重んじることが既に反イスラームです。エジプトにおける墓の伝統は、アラブ侵入後に形成されたらしいので、イスラーム的というより「エジプト的」、フィルアウニーまたはコプト的なるものとの融合の結果なのでしょうね(念の為ですが、普通のエジプト人はこういう過激なことは考えないと思います。わたしがなんちゃって原理主義者なだけですw)。

