精神病院を取材 社会の塀の外での生活
高い塀と開かれた扉、イル=アッバセーヤ精神神経病院はこんな風に見える。この巨大病院の中で、他人との社会的疎通能力を失った人々が暮らしている。
病的状態、これを生み出したのは社会だが、治癒後ですらこれとの関わりを拒んでいる。本紙はイル=アッバセーヤ病院に入り、患者とその家族の生活の細部を知り、新しい世界を暴き出した。これは、社会が拒否することで事足れりとし、精神病者の真の治癒は社会がその個別の事情を評価し苦痛を理解することでしか有り得ないことについて、少しの考えも巡らせずに塀の中に押し込んでいるものだ。
本紙の扱う患者たちには、イル=アッバセーヤの塀により社会から守られている者もいるし、そこからの脱出を試みた者もいる。
またこの特集では、精神病者保護法の施行の進展も扱う。この草案は、患者の権利侵害問題で多くの危惧を生んだ。専門家はどう見て、どのような成果があげられたのだろうか。
エジプトの精神医療 1
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