カミカゼのお話ですが、ニュースではなく半年も前の新聞にあった文章です。ちょっと面白かったので取り上げてみます。

日本はアメリカの軍艦を「カミカゼ」で襲った
日本よ、日本よ!
夢と繊細さと優美さの日本、アッラーの創りたもうた奇跡の一つ。
そのすべてが美しく飾られている。花々、鳥、木の芽、エデンの園からこっそり忍び込んだ麗しい香り、色とりどりの薔薇。
娘たちは長く編んだ髪と小さな足の人形のようだ。育まれた歴史は何千年にもわたる。
一方、怒りの日本、業火の日本、破壊の日本がある。地理的に孤立した日本、千年前から眠る伝説の龍の日本。
十六世紀、スペインとポルトガルとオランダの商人が到着し、続いて宣教師たちがやって来た。龍はその目を訝しげに開き、彼らに立ち去るよう命じた。宣教を軍事的侵攻の先駆けと見たのだ。外界との関係を断ち、龍はまた二世紀半の眠りに戻った。アメリカ海軍が大砲で龍を起こし、千年続いた孤立を終わらせるまで。
日本は、日本語では太陽の昇るところ、という意味だ。太陽には二つの顔がある。地に住む者たを温めてくれる日の出の顔、近づく冒険者を焼き尽くす顔だ。
太平洋は、両者にとってもはや十分に広くはなかった。第二次世界大戦では、1941年に真珠湾のアメリカ海軍が攻撃された。それから、アメリカ合衆国は、尽きることのない資源を持つ大陸の力で参戦した。太平洋のバランスはアメリカに傾き、日本軍は絶望的な状況に追い込まれた。この時はじめて「カミカゼ」が始まった。
カミカゼは日本語で炎の突風、聖なる風という意味だ。第二次世界大戦の終盤、アメリカ艦隊に打撃を与えるのに、自殺兵が用いられた。爆薬満載の日本軍の飛行機が、アメリカの軍艦に向かい、爆撃するのではなくそのまま突っ込んだのだ。また地雷を積んだ舟が、軍艦の腹に突撃し自爆した。
伝説の龍は、原爆によってはじめて沈黙した。日本の憲法はカミカゼが起こりえないよう変えられた。日本人たちは合意したかに見せかけて、新たなるカミカゼへと変わることで自らの意志を果たした。学問と知性と文明のカミカゼだ。
わたしたちと世界全体に与えられた素晴らしい教訓だ。偉大にして至高のアッラーはわたしたちに知性を与えられ、正しくそれを使うなら、すべてのカミカゼを越えることができるのだ。
ヒロシマ・ナガサキはほとんどのエジプト人が知っていると思いますが、カミカゼという言葉までは知られているのかどうかわかりません。
「カミカゼ」の語源説明で、ギリギリ「神」という言葉は使わず「聖なる」と言っているあたり、記者の苦労が伺えます(この記者は日本語ができるかどうかは別として日本についてある程度知識を持った人でしょう)。
