アクサー・モスクの攻防

アクサー・モスクの攻防

占領がアクサー・モスクに至る イスラエルの報告書、聖墳墓教会をユダヤ遺跡に含むことを明かす
 ヘブロンの聖域からエルサレム、アクサー・モスクから聖墳墓教会まで、西岸すべての地区で、昨日、緊張が最大限にまで高まった。メディアのリポートがこれらをユダヤ遺跡に含もうとしていることを明かしたからで、イスラームの聖地もキリスト教の聖地も等しく対象とする宗教戦争と発表はみなしている。
 ユダヤ教過激派にプーリームを祝い侵入するとの脅しを受け、パレスチナ人の若者がアクサー・モスクに泊まり込んだ夜の後、占領当局が聖なる庭に侵入した。抗議するパレスチナ人が「非ムスリムの来訪者」にモスクの中庭で石を投げつけている、との口実が使われたが、パレスチナ筋によると、来訪客には入植者やユダヤ過激派がおり、両者の間で揉み合いとなり、パレスチナ人十二人が負傷した。
 エルサレムでは、宗教的および国家的指導者の「参拝」呼びかけによって、緊張が日々高まっており、モスク中庭での活動は「明日も明後日もその後も、ユダヤ過激派に対抗しアクサー・モスクへの侵入を防ぐ」。
 目撃者によると、大勢の軍と警察がヘルメットに警棒を携え、旧市街のすべての入口と家々の屋根に展開しており、軍は聖地の門を金属の鎖で閉じ、パレスチナ人の立ち入りが益々制限され、軍の若者に対する攻撃は旧市街の細い路地にまで至り、占領軍によるゴム弾や催涙ガスの被害を受ける者もいる。
 攻撃を背景に、モスクのイマームの声とムアッジン(訳注:アザーンを行う人)の声は高まり、スピーカーを通しエルサレムの救済を呼びかけている。アラブ大学の抗議声明による呼びかけでは、イスラエル軍のアクサー・モスク侵入が激しく非難され、アラブ政治と国際法を無視している、とされた。
 パレスチナおよびアラブの知識人の間では、エルサレムへの「参拝」が、占領当局に従うことと見なされるのか、占領包囲の破壊を試みることとみなされるのかを巡って、議論が続いている。一方、エジプトのコプト教会は、エルサレム参拝はパレスチナのビザによる以外拒否する、と確言した。

 شد الرحالは、聖地巡礼を指すようなのですが、「巡礼」という日本語はイスラームではحجまたはعمرةに充てられているので、とりあえず「参拝」にしておきました。
 マッカへのハッジ以外、イスラームには「巡礼」はないはずで、エルサレムと言えど、本来は別段「聖地」ではありません。いささかワッハービーな考え方ではありますが、聖者廟詣でやエルサレムにある「宗教的遺跡」を有り難がって訪れることも、厳密には反イスラーム的です。
 とはいえ、多くの民衆にとってエルサレムが特別な場所であるのは事実で、イスラーム的というより政治的な意味で、イスラエルの行いは愚かとしか良いようがないでしょう。
参考:
كنيسة القيامة 聖墳墓教会 – Wikipedia
عيد المساخر プーリーム – Wikipedia

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