年寄りが多ければ年寄り臭くなる

 更新できていなくてすいません。プライベートでちょっとバタバタしていて、ブログまで手が回りません。
 そう言いつつ、どうでも良いことをちょっとメモしておきます。
 一つは免許更新のこと。
 エジプト滞在中に運転免許が切れてしまっていたのですが、「六ヶ月以内なら、うっかり失効でも問題なく更新できる」とどこかで聞いていたので、すっかり油断していました。確かに更新自体はできるのですが、「やむを得ない理由(病気・海外滞在など)」が終了して一ヶ月以内とその後では扱いが変わってくるのです。
 海外滞在中に免許が切れてしまった方は、帰国後一ヶ月以内には手続きした方が良いですよ。こんなのんびりしているのはわたしだけかもしれませんが。
 失効後だと、運転免許試験場まで行かなければならないのですが、運転免許試験場というのは、どこの街でもマージナルな場所にあって、ヤンキー臭いです(笑)。しかも警察系のお役所ですから、無愛想で辛気臭いのが基本です。
 以前に更新した時は、この荒んだ空気がイヤだったのですが、モガンマア(カイロの総合庁舎)のカフカ的迷宮を経験したためか、日本の「お役所仕事」が素晴らしくスピーディかつフレンドリーに感じられました。警察の人がニコニコしてるよ!
 ヤンキーだって、日本のは可愛いものですよ。全然平和的だし、黙っていれば何も構ってこないし、めちゃくちゃ紳士じゃないですか。いやまぁ、ヤンキー的階層の人々というのは、見た目と違って結構礼儀正しくイイヤツなことが多いのですが。
 このお上品さを眺めていて、更に連想が進みます。
 日本人は総じて「お上品」です。悪く言えば元気がない。エジプトから帰ってくると「病気なんじゃないか」と思うくらい覇気がなく、こっちまで寂しい気持ちになってきます。日本人のわたしですらこうですから、日本で働いているエジプト人は、寂しくて仕方がないことでしょう。
 日本だって少し前までもっとヤンチャでテキトーだったはずです。こんなお上品で元気のない国になったのは、豊かさの引き換え、というのが普通の解釈かもしれませんが、同時に少子高齢化ということも関係している気がします。
 これらは互いに相関的なので、どちらが卵とも言えませんが、識字率が上がり女性の社会進出が進み、子供の数が減り教育コストがあがると、その国は近代化し大抵は豊かになり、やがて「年寄りの多い世界」を迎えます。
 何となく今まで、豊かになって教育水準が上がり子供一人一人にやたらに手間がかけられるようになった結果、子供がお上品になり若者が「欲しがらなく」なった、というイメージがあったのですが、同時に「年寄りが多い国」だから、みんな「年寄り臭くなった」と思えてきました。
 比較的高齢な両親の子供は、小さい頃から妙に落ち着いていることがあります。人は語らいの中に産み落とされ、周囲の空気で育つものですから、年寄りが多ければ子供も若者も年寄り臭くなる、というのはあると思います。
 逆に、エジプトなどは「子沢山」社会ですから、ジジババまで妙に元気があるのかもしれません。元気がないジジババはジジババに達する前に淘汰された、とも考えられますが(笑)。
 「若者の車離れ」とかいうベタなネタをオヤジが出し、「単に金がないからだ!」と若者世代が批判する、という風景をネット上ではよく見かけます。また「不景気なせいで若者が安定志向になっている」というのも、紋切型の語りです。
 それはそれで当たっているところもあるのでしょうけれど、同時に「国全体が年寄り臭くなっているから、ものも欲しがらないし、挑戦志向もなくなった」という面もあるように思います。
 もちろん「年寄り臭い」というのは悪いばかりではないですし、静かでお上品で余計なことをしない、とも言えます。
 「年寄り臭く」なれない性格の若者は、この国では不幸でしょうけれど、イヤなら出ていけばいいのだから問題ありません。

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