日本の新聞がものすごい読みにくい

 エジプトの新聞は毎日買って読んでいますが、日本語勉強中のNちゃんが「最近、日本の新聞の見出しを読む練習をしている」というので、某施設にあった日本の新聞を一緒に読んでみました。日本では新聞を購読していなかったので、本当に久しぶりです。
 で、改めて日本の新聞を見直してみて感じたのは「だめだこりゃ」という一言です。
 何がダメって、非常に読みにくい。無駄に分厚い。
 エジプトの新聞は、概ねシンプルです。ページ数も少ないし、パパッと全体を概観できる。広告も日本ほどは多くない。
 それに比べて、日本の新聞は何だか雑誌みたいで、あれもこれも詰め込みすぎた結果、一覧性が損なわれています。Nちゃんが「エジプトの新聞は、政治面、経済面と分かれているけれど、日本は?」と聞くので「大体一緒だよ」と言ってみたのですが、どの面も何だかハッキリしないし、工夫を凝らしているらしいレイアウトがかえって見にくいし、エジプトの新聞より遥かに見通しが悪いです。
 日本の新聞宅配はもう風前の灯火で、紙新聞は駅の売店などで売られる形態に限られていく気がしますが(エジプトに限らず多くの国では最初からこの販路だけ)、こんな分厚くては出先で買う気にもなれません。
 おまけに、記事見出しが意味不明すぎ。
 どんな言語でも、新聞記事の見出しというのには、独特の文体があります。英語でもアラビア語でもそうです。
 ですから「慣れ」が必要なのは普通なのですが、それにしても日本の新聞の見出しは酷い。日本人のわたしが見ても、文脈を知らないとさっぱり何の記事だかわからないものが多いです。
 毎日読んでいるエジプトの新聞は、外国人のわたしが読んでも、見出しから主題を取るくらいならパッと見てほとんど理解できます。もちろん、中にはローカル色の強い記事もあるし、コラムは難しいし、スポーツ・芸能欄とかサッパリわかりませんが(日本語でもわからん)、一面記事や政治・経済・社会の主たるニュースについては、大体要旨が取れます。
 わたしがエジプトの新聞を読んでいると、エジプト人がよく見出しを指差して「これ読んでみろ」とか言ってくるので、真似してNちゃんに読んでもおうとしたのですが、学習者に読ませられる見出しを探すの大変です。どんな言語の学習者も、一定のレベルに達したら「新聞を読む」という修行をするものだと思いますが、日本の新聞は、日本語学習者に胸を張って「読んでごらん」と言える代物では到底ないです。スポーツ新聞なんかじゃなくて、一流の新聞がこんな調子なんですから、読むものがありません。
 元来、新聞というのはシンプルなもので、パッと見て大体様子が掴める、というのが重要な役割だった筈です。日本の新聞が、量的にも質的にも、こんな肥満体になってしまったのは、一体どうしてなのでしょうか。昔はもっとシンプルなデザインで、素朴な作りだったと思うのですが、「進化」した結果、かえって使えない媒体になっています。
 なんと言うか、頭の悪いwebデザイナーが「これがweb2.0です」とか言って、やたら重くて直観的でないページを作ってしまったみたいなのが、日本の新聞ですね。
 それくらいなら、ジオシティの残骸みたいな、めちゃくちゃweb1.0的な新聞の方がずっと良いです。
カルナック中のレリーフ
カルナック中のレリーフ posted by (C)ほじょこ

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