カイロ・アメリカン大学(通称アメ大・・って、在カイロ日本人の間だけやん)の本屋さんが、新装オープンしました。
以前は北側の入り口から入ったところだったのですが、南西角の入り口入ってすぐが新書店です。
買い物もあったので早速行ってみたのですが、凄い!の一言。

アメ大新書店 posted by (C)ほじょこ

アメ大新書店二階から posted by (C)ほじょこ
「ここはニューヨークですか」というくらい、キレイでカッコイイ本屋さんです。入り口はなんと自動ドア。エジプトに来て以来、自動ドアというものを見た記憶がないのですが、魔法のようです。ドアがね、勝手に開くのよ! どういうこと!?
日本基準で言っても、かなりオシャレで、ブックフェチにとっては天国のようなお店です。
ちなみに、ガードマンさんも、北門の人よりフレンドリーで、店員さんもオープンしたばかりのせいかニコニコしていて、「どう、新しい本屋さんは?」とかお喋りになりました。どうもこうも、最高ですよ!
エジプトの本の価格は、物価一般と比してかなり高いです。
古書店や路上で本を売る人も多いし、学生が本を全部コピーして使っている姿もよく見ます。
最近、日本の出版業界も厳しいようですが、本の値段はもっと高くて良いように思います。限られた人しか買わなくても良いじゃないですか。本なんて、昔は文化人しか読まないものだったはずだし、それくらいのノリで細々やるのも一手でしょう。一冊一万円くらいが相場になっても、わたしは買いますよ。
というか、今だって読む価値のある本は大抵安くはないし、やっつけで書いたみたいな新書本を読むくらいなら、一年中クルアーンだけ読んでいる方がマシです(それも厳しいか・・)。
F女史に面白そうなエジプトの現代小説を紹介してもらいました。「え、知らないの?」と言われたので、かなり有名らしいです。
علاء الأسوانيذ Alaa Al Aswany アラーゥ・アル=アスワーニーという作家の、شيكاغو Chicago シカゴと、عمارة يعقوبيان The Yacoubian Building イマーラ・ヤアクビヤーンという二本です。どちらも英訳はされていて、عمارة يعقوبيانは映画化もされています。
Wikipedia関連ページ:
Alaa Al Aswany
The Yacoubian Building
The Yacoubian Building(film)
英訳:
The Yacoubian Building
Chicago: A Novel
『イマーラ・ヤアクビヤーン』(映画の日本語表記は「ヤコービエン・ビルディング」となっている模様)は、タラアト・ハルブ通りの実在のアパートを舞台に繰り広げられる人間模様を描いたもので、エジプトの政治腐敗なども取り上げられている、とのこと。
最近作の『シカゴ』は、アメリカに移住したエジプト人の物語で、エジプトがイヤでアメリカに同化しようとするものの、二つの文化的アイデンティティの狭間で苦しむことになる人物が描かれるもの。
こう書いていたら、前者についてはどこかで聞いた気がしてきましたが、どこだったかよく覚えていません。
特に『シカゴ』のテーマは個人的に興味を惹かれるので、購入してできたら私用翻訳してみたいです。現在の実力ではおぼつかないですが、まぁ気合があれば何でもできるでしょう。
誰かもう日本語訳に着手していないのですかね。誰もいないようなら、交渉して翻訳権取れないですかね。どこかの出版社さん、興味ないですか? 売り物にするなら、今のわたしじゃ全然役不足ですが。
映画も傑作らしいので、DVD探してみます。
ちなみに、يعقوبはヤコブのことで、英語ならJacobですが、英訳版のタイトルは建物名の固有名詞として、Yacoubianとしていますね。当たり前か。
オマケで、スーダンで行われたエジプト対アルジェリア第二戦前の盛り上がり動画。
ちなみにエジプトは負けました。
大きな声では言えませんが、負けてくれた方が静かで助かります・・・。
アラーゥ・アル=アスワーニー『イマーラ・ヤアクビヤーン』『シカゴ』、アメ大の新書店
エジプト留学日記