エジプトのワールドカップの出場を決める一戦、対アルジェリア戦が行われました。
事前に日本大使館が「当日は渋滞が予想される」とお知らせを出していたくらいなので、相当大騒ぎになるだろうなぁ、とは思っていたのですが、予想以上でした。
試合開始よりはるか前の昼間から、既にそこら中国旗だらけで、みんなで騒いでいます。
サッカー好きの一部の人がこれくらい盛り上がるのは、日本でも見られることでしょうが、もうどこもかしこも応援する人だらけで、規模が半端ないです。
学校に行っても事務の女の子が国旗を振ってはしゃいでいるし、戦争でも始まりそうな勢いです。
F先生にお呼ばれして、オペラ劇場のオーケストラを見に行く。
彼女は他の友達も呼んでいたらしいのですが、「サッカーでそれどころじゃないよ」と断わられまくったらしいです。わたしも彼女も風邪が治りきっていなくて、正直ちょっと迷ったのですが、予定の時間にオペラへ。
「男の人はスーツにネクタイ、女もジーンズはNG」と聞いていたので、キンチョーして訪れると、本当にキチンとした格好の、日頃ご縁のない社会階層の方々が集まっています。外国人も大勢います。というか、外人の方が多いです。大使館関係者らしい日本人の家族もちらほら見かけました。世界が違います。ない服の中からマシそうなものを選んだのですが、かなり場違いでした。
予定の時間になっても彼女が現れず、中に入ってしまった模様。こんな時に電話がなくなっていて、連絡も取れずにションボリしていると、オペラ劇場のおじさんが声をかけてくれました。事情を話すと、凄いことにチケットを一枚くれて「これで中に入って、友達がどこにいるか探しなさい」と言ってくれます。
こんなちゃんとした劇場でオーケストラなんか聴いたこともないし、「そんな気取ったモン似合わないよっ」とかスネながら行ったのですが、いざ目の前にしたら、素晴らしい音響環境で、感激しました。文明って素晴らしい!
結局彼女とは会えずじまいで、単に一人でオーケストラを奢ってもらった、という意味不明なオチになりましたが、得しちゃいました。
外に出たのは、サッカーの試合終了一時間後くらい。
「結果はどうだったのかなぁ」とか考えるまでもなく、一歩外に出た瞬間に「勝った」とわかりました。
もう街中、戦争に勝ったみたいな騒ぎです。何ですかこれは。
若者が車にハコ乗りしてはしゃいでるし、そこら中フェイスペイントの人だらけだし、すべての車がクラクション鳴らしまくってるし、子供が火炎放射器みたいの振り回しているし、どう考えても何人か死んでると思うのですが・・・。
メトロまでもが、駅に入ってくるときに警笛鳴らしまくっていたのには呆れました。
帰りがけに、サッカーでハイになりまくっているエジプト人と、また喧嘩になる。
でも相手が悪かったです。家族連れのお父さんだったので、面子上、例え自分が悪いと思っても絶対謝れないし、すまなそうな顔をするわけにもいきません。わたしも途中で気づいたのですが、こっちはこっちで既にキレている手前、これまた引けません(笑)。
こういう時も、必ず周りが仲裁に入って、お互いをなだめてくれるので、救われます。仲裁がなかったらどっちにとってもロクな結果にならないでしょう。
そう思うと、彼らの「仲裁力」は、お互いの面子を立てて穏便に片をつけるのに、実に有効ですね。喧嘩の当事者が言っちゃダメですが。
わたしも喧嘩を見かけた時には割って入れる胆力を付けたいです。日本でやったら普通に刺されそうですね。
夜中に突然大家さんがやって来る。
友達がエジプト人と結婚したい外国人を探しているとかで、「うわぁ、めんどくさいー」と思ったのですが、テキトーに流してお喋りしていたら、何となく楽しくなってくる。
「一人でアパートに住むなんて、寂しいし怖くて考えられない。一人で寂しくないの?」「高校出てからずっと一人で暮らしているし、全然普通。むしろ一人が楽」とか、他愛もないことを話す。
本当は一人暮らしもちょっと飽きていて、日本に帰ったら生活変えたいなぁ、と思っているのですが、とりあえずエジプト人とは一緒に暮らしたくないですね、悪いけど(笑)。
最近寒くなってきて、布団が足りなくて困っていたら、押入れ?の奥に丁度良い毛布があるのを教えてくれたりして、ちょっと助かりました。

国旗男 posted by (C)ほじょこ
サッカー エジプト・アルジェリア戦
エジプト留学日記