停電

 最近、停電が多いです。
 今日は晩御飯を食べていたら電気が落ちて、真っ暗闇の中で続きを食べる羽目になりました。ちょっとバッドです。
 窓から外を見ると、電気が落ちているのは近所の一区画だけで、通り一本隔てた向こうは灯りがついています。悔しいです。
 どうにもならないので、窓から景色を眺めてボーッとしていたら、アシャーのアザーンが聞こえてきました。カイロ全域が停電したりしたら、アザーンも当然肉声なんだろうなぁ、と想像します。ちょっと聞いてみたいです。今でも電気がない地域は沢山あるはずですが、そこでは拡声器ではなく、毎日人力アザーンが行われているのでしょうか。
 入居した時、台所やお風呂に蝋燭が置いてあって、「お洒落な趣味だなぁ」と思っていたら、全然お洒落じゃなくて実用目的なのだと、後で気づきました。蝋燭とライターは、手探りで見つけられる所に置いておかないといけません。水の汲み置きも大事。
 まだカイロで冬を越したことがないのですが、聞く話によると相当底冷えすると言います。昼と夜の温度差が大きいですから、明け方はきつそうです。
 アパートは隙間だらけで、めちゃくちゃ冷え込みそうです。どう見ても、夏のことしか考えていない作りです。
 でも、徒然草にも「家は夏を旨とすべし」とあるので、これで良いのかもしれません。我が家はエアコンはなく、扇風機ですが、それでも停電されると奥の部屋が暑苦しいです。ちょっと涼しくなってきたと思ったら、最近また暑くなって、扇風機なしだとまだ寝苦しいです。暗闇で手探りで網戸を開けて風を入れます。
 電気がなければ、夏は冷やしようがないのですから、夏仕様で家を作るのは正解なのでしょう。暖房は電気なしでも色々方法があるし、火が焚けないでも、モコモコ着込んで猫でも抱っこすれば死なないでしょう。
 電気が止まると、水道もポンプが止まって使えなくなるし、当然冷蔵庫も死んでいます。
 アイスクリームなんか買っていたら、完全死亡です。エジプトのアイスクリームは結構「危険」なのですが、アイスクリームなんて電気を食べているようなものだし、このインフラ状態と物流のいい加減さを見ると、溶けたりまた凍ったりしているうちに「地雷」アイスに化けてしまうのも無理もない気がします。冷凍の魚介類なんかも全然信用できません。「今は凍ってる」というだけですから(笑)。
 またしばらく経つと、ザグルータの声が聞こえてきます。結婚式のようです。毎日結婚式を見かける気がしますが。
 真っ暗な中で遠いザグルータを聞くのも風流なものだなぁ、と思っていたら、バチン!と電気が復活しました。
 一斉に家中が再起動し、テレビの音声も戻ります。夢から覚めたようです。
 こうして見ると、随分無駄な電気の使い方をしているなぁ、と反省するのですが、夢は目覚めてすぐ忘れてしまうのです。
夜の児童公園2
夜の児童公園2 posted by (C)ほじょこ

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