アレキサンドリアからの帰り道、気まぐれでちょっと離れたメトロの駅で降りて歩いたのですが、そこからの帰路だけで、シーニー兄ちゃん(シーニーとかチャイナとかニーハオとかボーヤボーヤとか言ってくる奴ら)に何人も遭遇しました。
品の良いアレキサンドリアから帰ってきたところで、かつ気分が高揚していたせいか、その悉くに怒鳴って返しました。
特に何人かは、日本語(関西弁)で強烈に因縁つけながら詰め寄って、一人の兄ちゃんは座っている椅子をガンガン蹴る勢いで喧嘩売ったところ、平謝りして「第三者介入」でハラース(お終い)になる、という状況にまでなりました(エジプト人は、喧嘩が激しくなると大抵周囲の第三者が介入して、観客が勝敗を決める)。
ものすごい大人げない対応です。
でもわたしは、これからもこうやって喧嘩を売っていくつもりです。そのうち殺されるかもしれませんが、大日本帝国婦女子をナメくさったヤツらを一人でも減らすことができるなら本望です。結果的に、日本人や中国人がかえって嫌われることになるかもしれませんが、はっきり言って知ったこっちゃありません。それでガタガタ言ってくるなら、その腰抜け非国民だか中国人と喧嘩します。
彼らの多くは、さほどの悪意があるわけではなく、ほとんどの場合むしろポジティヴな気持ちで言っているのでしょう。
だから、突然発狂した東洋人がわけのわからない言葉で迫ってきたら、まったく意味不明な不条理な状況に巻き込まれた、としか思えないことでしょう。
その通り。
不幸はいつでも不条理なものです。わたしの巻き込まれた不快さが不条理なように、お前の味わう不幸も不条理だ。お前がわたしを理解しないように、わたしもお前を理解しない。
所詮は不条理と不条理のぶつかり合いであって、強いものが勝つ。そしてお前はわたしより弱いので、ひざまずいて靴を舐めるがいい。
こういう怒鳴りあいはエジプト人同士が至るところでやっていますが、暴力に発展することはまずありません。でもわたしはエジプト人ではないし、今のところムスリマでもないので、別に暴力を使ってもオッケー、というか、力で解決できることは極力力で解決する主義です(今のところ激しい暴力沙汰にはなっていないし、最初が最後だと思う)。
それくらいの決意がなければ、因縁をつけるべきじゃないし、やる時は常に殺しても構わない気迫でいます。
ただまぁ、さんざん怒鳴りあって第三者介入でハラース、というのは、両者とも言いたいことを言ったせいか、悔しいけれど、禍根の少ない解決方法と認めざるを得ません。わたし自身、「殺す!」と思っていっても、当たり前ですが本当に殺したことはないですし、終わった後は不思議とスッキリした気持ちになります。怒鳴りあいの種がある時点で問題ですが・・。
怒鳴りあいになったら、変にアラビア語や英語を使うより、日本語の方が良いです。この日は、介入してきた人が「英語話せるか」とか言ってきたので、その時だけ英語で「話せるけどお前とは話さない」と答えて、日本語で怒鳴り続けました。
不思議なことに、後で思い返すと、こっちの日本語と向こうのアラビア語(何故かほとんど聞き取れていた)が、ちゃんと噛みあっています。極限まで感情むき出しでぶつかりあうと、言語を知らないでも意志が伝わるようです(笑)。
これだけ怒鳴りあいをするというのは、逆に言うと、口ではさんざん言うけれど、実際に力に訴えるつもりはない、とも言えます。エジプト人の男には、勇ましいことを言ってかっこつけたがるヤツが多いですが、実際のところはそんなに好戦的ではないと思います。良くも悪くも「口だけ」です。
欧米や日本のテレビがアラブ世界の街頭でインタビューして、彼らがものすごい好戦的なことを言ったり、民衆が反米・反イスラエルで盛り上がっている映像が流されたりしますが、そういう言葉やポーズの勇ましさと裏腹に、良く言えば平和的、悪く言えば腰抜けなのが実態なのではないでしょうか。本当に戦争になったら、急にお母さんが病気になったりする様が目に浮かぶようです。
これは別段、悪くだけ言っているわけではなく、口でさんざん罵り合って、第三者介入して「これでお終い」となるなら、本当に力に訴えるより、ずっとマシな解決方法と言えます。欧米や日本では、彼らの口先のかっこつけたがりに惑わされて、本当に彼らが好戦的で勇敢であるかのように、勘違いしている傾向があるのではないでしょうか。
アラブ人にも色々いるでしょうが、とりあえずエジプト人は、口で言う百分の一も本当に戦う気なんてないと思います。
そして口先では奇麗事を言いながら力に訴えているのが、欧米やそのフンドシ担ぎの日本でしょう。
あれ、いつの間にかエジプト人の肩を持っていますね。街の怒鳴りあいでは敵なんですけれどね。

ヘルワーンの壁 posted by (C)ほじょこ
シーニー兄ちゃんに陳謝させる、良くも悪くも「口だけ」
エジプト留学雑記