どんな言語にも「下品な表現」はあるし、若者言葉を年配者や教養のある人間が批判するのも万国共通でしょう。
アラビア語の場合、フスハーとアーンミーヤの二重構造があるので、もう一段ややこしくなって、アーンミーヤにも「上品なアーンミーヤ」と「下品なアーンミーヤ」があることになります。
先生と話していた時、「嘆かわしいことに、最近は大学生でもこんな表現を使う」と、右手を耳の後ろから前に払うような動作をしました。
その動作の意味するところは「نفض」または「كبر」とのこと(両方とも真ん中がシャッダの第二形)。ほぼ命令文だけで使い「ほっとけ」「興味ないよ」「関係ないね」みたいな意味らしいです。
フスハーでは「نفض」は「振り払う」みたいな意味なので、それを第二形にして命令文で使えば「ほっとけ」なイメージになるのは何となくわかります。
「كبر」の第二形の基本イメージは「大きくする」「強調する」「過大に扱う」といったところですから、そこから「でっかく構えとけ」「そんなもんほっとけ」とニュアンスが流れていったと考えられます。
そういう下品な表現に限って学生がすぐ覚えてしまうのも、多分世界共通で、わたしもすっかり頭に入ってしまいました。先生ごめんなさい。使わないように気をつけます。

野良犬のお昼寝 posted by (C)ほじょこ
下品なアーンミーヤ
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