アレキサンドリアに行けず、炎天下を縦走して市内でラクダ発見

 週に一度のお休み。
 エジプト人三人(二人は知り合い、一人は初対面)とアレキサンドリアに行く予定だったのですが、トラブルで行けないことに。
 朝の二時、というか前日の深夜二時に寝ないでラムセス駅での待ち合わせに行ったのですが、警官に呼び止められます。夜の電車は外国人が乗れないようなのです。最初友人が「エジプト人と外国人は一緒に乗れないらしい」と言っていたのですが、これはわたしに気を使って遠まわしに言っていただけで、要するに彼らの乗ろうとしていた未明出発の三等列車は、治安上の問題で外国人が乗車できないことになっているらしいです。
 治安上の理由というのが、わたしにテロリスト疑惑がかかっているということなのか、危険なので外国人の安全を保障できないということなのか、よくわかりませんが、とにかく電車に乗れませんでした。
 三人に悪いので、諦めて一人でションボリ宿に帰ってきました。まぁ、なんとなくうまくいかない予感はあったのですが・・。
 昼ごろまでふて寝して、とりあえず歩くことに。
 お休みと言ってもひたすら炎天下を行軍しているだけですが、よく考えると日本でも休日と言えば長距離散歩が定番だったので、行く先々で色んな人とお話できるだけ、カイロでの散歩の方がマシかもしれません。面倒や危険もグッと多いですが・・。
 ガーマ・イッサイイダ・ゼーナブあたりを目指していたのですが、ここまで4キロ程度の距離なのに、猛烈な日差しが応えて既にフラフラに。ジュース屋さんでマンゴージュースを飲んで体力を回復を図る。
 この近くで、ラクダを見ました。砂漠に行けばラクダは珍しくありませんが、カイロ市内ではロバや馬ははいて捨てるほどいても、ラクダはまず見かけません。木に顎の下をこすりつけて、気持ちよさそうにしていました。
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DSCN4647 posted by (C)ほじょこ
 疲れていると、シーニー兄ちゃんとかバクシーシの子供とかがキツいです。イライラしているところに、ヒューヒュー言いながらこっちの顔を覗き込むようにしてきた若者がいたので、思わず力で振り払ってしまいました(マジ突きとかではない)。
 たかってくる人がしんどくなり、敢えて人のいない炎天下の道を進むも、体力的に厳しすぎて、小さな影を見つけて休む。この時、向かいの病院(小児ガン病院)から、女性二人が声をかけてくる。
 「何してるの」「どこから来たの」等の定番会話だけでしたが、女が声をかけてくるのは男の100分の1もないので、貴重な会話を楽しみました。考えてみると、エジプトに来ても女性とはほとんど話していません。子供以外は自分から声をかけることがほとんどないし、接点がないのです。たまに話しかけてくるおばちゃんは、大抵あんまり話が通じません。もったいないので、もっと女子と会話したいです。
 会話で救われつつも朦朧として歩いていると、マグラ・イル・ウユーン通りの水道橋跡(元はローマ時代に作られ、十五世紀頃のものが残っている)沿いで、修理工らしいおっちゃんに声をかけられる。
 なんとなく呼ばれるままに狭い店の中に招かれ、お茶をご馳走になる。おいしい。しみる。
 「アラビア語を勉強しているけれど、アーンミーヤはよくわからない」と言うと、おぼつかないフスハーで息子たちを次々紹介し、ついでイスラームの素晴らしさについて大いに語ってくれる。こういうおっちゃんの語る信仰談義は、内容的にも素朴で、ベースの部分についてはほとんど全部同意できることばかりです。
 「君の婚約者が、他の女の子と遊んでいたらどんな気持ちがする? それと一緒で、アッラーだけを愛さなければならない」という例えが、異様に下世話で逆に親しみが沸きました。
 北上し、タハリール広場方面へ。
 ウストゥルバラド(新市街中心部)では、外国人が珍しくない代わり、怪しげな客引きがしつこい。「ビジネスじゃない、バクシーシじゃない。東京で仕事していてラマダーンが終わったら戻るんだ」とか言っているエジプト人は、ほぼ100%ただの客引きなので、スルーしましょう。ついていってお茶だけ飲んで帰ってきても良いですし、わたしは何度かそうしていますが、断るのが苦手な人は最初からやめておいた方が賢明です。
 会話とお茶を楽しんでバイバイするのが苦にならなければ、無料で涼を取れます。突然人が変わったかのように怒り出したり脅す商売人もいますが、どのみちその辺でしょっちゅう怒鳴りあいしている人たちだし、こっちも負けないくらいキレて灰皿の一つでも投げれば問題ありません。
 広場近くで、書店を見つけて入る。
 路上で古本を売っているのはよく見かけますが、冷房の効いた綺麗な書店というのは、数えるほどしか見ていません。とても幸せな気持ちになります。
 荷物になるので我慢していたのですが、ついアラアラ辞書二冊とアラビア語版ミッフィーちゃんを購入。ミッフィーちゃんは嬉しくて、全種類買い占めたい誘惑にかられたのですが、グッとこらえて一冊にしました。
 広場近くのカフェでアシール・ライムーン(レモンジュース)とザバーディ・ビ・ファワーキフ(フルーツヨーグルト)を飲む。レモンジュースだけのはずが、疲れでつい二つも甘いものを飲んでしまう。よく考えると、この日はまだこのジュース二つと前のマンゴージュースしか食べて(飲んで?)いませんでした。
 この時点で日暮れが近く、気温が大分下がってきたので、残りの距離は割と楽に歩けました。
 夕暮れ時や夜のナイルは本当に美しいです。
 地獄のような日差しの下で貧しい地区を歩いた後だったりすると、同じ街だとは思えません。
 今日の写真をいくつか貼り付けておきます。
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DSCN4636 posted by (C)ほじょこ
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DSCN4693 posted by (C)ほじょこ
 その他の最近の些細なメモ:
・前に書いた「時代劇だけはフスハー」、先生に確認したところ「その通り」だった。
・前にしつこく話しかけられてブチ切れてしまったスーパーの店員さんと仲直りした。よく行く店だし、わたしを見ると気まずそうに隠れていたので、お互いしんどいし、修復できて良かった。
 ニュースはわかるのに街の言葉がわからないので、寂しくてテレビっ子ぎみな今日この頃です・・・。

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