昨日は心身ともに非常に状態が悪く、暗黒日記を書いてしまったのですが、あまりに暗いのでポストしないでおきます。
今日は一転して元気でした。
睡眠不足や習慣の違いからくるストレス(特にシーニー兄ちゃん)に加え、食べたいものが食べられないのも体調悪化の原因の一つだったと思います。飲み物は甘すぎるし(コーヒーとお茶については、やっと「常に砂糖いらない」を周囲に定着させました)、食べ物はおしなべて安いのですが、肉や脂っこいものが多く(わたしは肉がほとんど食べられない)、ジャンクなものは相応にジャンクです。
日本人が一度は襲われるという腹痛には、幸いにして一度もなっていないのですが、それ以前に食べる気が失せていました。
昨日、思い切ってマタァムで米と魚を食べたら、それなりのお値段にはなりましたが、ちゃんと美味しくて元気回復しました。加えて、近所の大衆食堂にそこそこの値段でそこそこの米・魚・野菜があるのを見つけ、希望が見えてました(コシャリよりは高く、レストランより安いくらい)。
以前に掃除のおばちゃんに露骨にバクシーシをせびられ、しかもすごい機嫌の悪い顔をされてイライラしていたのですが、今日タバコをねだられて一本あげたら、途端に満面の笑顔になって、気持ちが楽になりました。
多くの日本人と同じく、わたしもチップやバクシーシをあげるのに慣れていません。習慣だとわかっていても、お金を直接渡すのはどうも汚い気がしてしまいます。
その点、タバコだと気が楽です。
エジプトに限らず、タバコを分け合う習慣は多くの国にあり、人間関係を潤滑に運ぶのにとても役に立ちます(ヨーロッパでも、うっかりマルボロなどの高いタバコを見えるように持っていると、せびられまくってあっという間になくなります)。日本でも「喫煙所コミュニケーション」みたいのがありますし、身体には悪いですが、人と仲良くなるには結構便利な道具です。
すべからく感情表現が派手なエジプト人なので、機嫌の悪い時は露骨に怖いですが、笑うとめちゃくちゃ素敵な顔になる人が多いです。日本人としてはかなり喜怒哀楽の激しい方のわたしから見ても、相当に顔が変わります。
そしてチップをちょっと上乗せするだけで、この満面の笑顔を拝むことができます。
任意の料金のはずなので、払わないことで不機嫌な顔をされたり、時に罵倒される勢いになるのは勘弁して欲しいですが、たかだか1、2ポンド(20円から40円)で笑顔が買えるなら、安いものな気もします。スマイルは0円じゃないです。
食堂などでは、サービス料が料金として既に加算されている場合がほとんどですが、これプラスほんのちょっと払っておいた方が、何かと物事がうまくいきます。
もちろん、全然納得いかないサービスに払う必要はないし、まとわりついてバクシーシだけせがむ人に払っていたらキリがないので無視すべきですが、自分の滞在エリア圏では、一応人間関係を良くしておいた方が安全です。というか、あの笑顔の力は圧倒的で、とても逆らえません。
わたしも「笑ったら可愛いのに」と言われ「楽しくないから笑ってないんだよ!」とプリプリしている時が多いですが、あんなパワーのある笑顔なら、頑張って笑っておくか!という気持ちになってきました。できたらバクシーシ頂戴(笑)。
掃除つながりで、同じく掃除のおっちゃんが、例によってコテコテのアーンミーヤで話しかけてきたのですが、以前と違ってかろうじてコミュニケーションが取れました。相変わらずエジプト方言は初心者ですが、簡単な会話なら何とか成り立たせられるようです。
一般に、こっちは「ちょっとエジプトっぽいフスハー」程度で喋っていても、ちゃんと意志は伝わります。問題は向こうの方言の聞き取りです。
おっちゃんとは「いつまでここにいるんだ? もうすぐラマダーンだな。お前の滞在期間なら、一緒にラマダーンを過ごせるな。最高だな!」みたいな、ものすごいしょうもない内容の会話だったのですが、それでも、何とかしげみついていけて嬉しかったです。
好き嫌いで言えば、個人的には圧倒的にフスハーが好きで、それに比べてエジプト方言は何だか下品で乱暴な感じ、という勝手な印象を抱いていたのですが、多少なりとも意味が取れるようになってくると、以前ほど乱暴さを感じなくなってきました。エジプト人はおしなべて大声で怒鳴るように喋りますから(笑)、意味がわからないとひたすら怖いのですが、意図がわかれば恐怖も和らぐというものです。
そう言えば昨日は、滞在地の近くに「カフェ」を発見しました。日本で「カフェ」と言って連想するような、ああいうこざっぱりして可愛い空間のことです。
カイロにはマクハーが至るところにありますが、そこは「男の世界」で、女は入ることができません(そういう伝統的カフェを確かマクハー・バラディと言うはずだけれど、間違ってたらごめんなさい)。別に「女人禁制」と書かれているわけではありませんが、到底立ち入ることのできないオーラが放たれています(実際に「お引取り願」われることもあるそうです)。
一方、女も入れる感じの「カフェテリア」もあるのですが、それもシーシャをふかしているちょっと暗めの空間で、日本で言う「カフェ」の雰囲気ではありません。もちろん、こういう場所の方がエジプトらしくて、独特の面白さがあるのですが、とにかく日本語での「カフェ」には程遠いです。
で、今日見つけた場所は、まんま日本のカフェのような場所で、冷房も効いていて清潔でお洒落な店でした。大衆向けではなく、値段は日本のカフェよりは少し安い程度で、ベローチェくらい(笑)。これはエジプトではものすごい高いということです。
わたしたちの他は、ボンボンらしいエジプト人グループと、当地で働くイギリス人らしい二人以外、お客さんはいませんでした。
バクシーシとタバコ スマイルは0円じゃない エジプトのお洒落カフェ
エジプト留学日記