薬局で軟膏を買い、野良じゃない犬を初めて見る ヒジャーブとニカーブのこと

 連日寝不足で疲れが抜けず、朝寝坊ぎみになりつつ、何とか朝食の時間までに起床し活動開始。
 午前中はもう一つ頭が回らないのですが、なんとか宿題を完了。授業開始まで少し時間があったので、一時間くらいお昼寝しました。
 最初はA先生。今日はナツメヤシのお菓子をお土産に持ってきてくれます。昨日コシャリのお店を教えてもらったのに、喧騒で気分が悪くなってしまったことをお詫びします。
 A先生の授業はいつも脱線気味でなかなか教科書が進まないのですが、A先生と使っている方の教科書はかなり簡単なので、どっさり宿題にされても何とかなります。途中でまた信仰の話に流れかけましたが、さすが大人で「今度ゆっくり話そう」と本線に戻してくれました(わたしがつい話してしまうのであって、先生から話題にすることはほとんどありません)。
 今日はアラブのカリグラフィーについての文章を読んでいたのですが、最後まで到達できずに予想通りどかっと宿題になり、しかも「明日中にこの課を終わらせる」と宣言されました。あのー、M先生とこの教科書使っていた時は遥かに高速度だったのですが(笑)。でも、お喋り自体が訓練になるので、全然OKです。
 そう言えば、前日ナイル川沿いを一緒にお散歩した時、ヒジャーブとニカーブの話になりました。ヒジャーブ(ヒガーブ)というのは、ムスリム女性(ムスリマ)が髪を覆っているスカーフのことで、カイロ市内を歩いている限り、九割以上の女性がヒジャーブをしています。エジプト人すべてがムスリムなわけではないので、ムスリマはほぼ100%ヒジャーブをしていると言って良いでしょう(子供はしなくて良い)。
 ただ、別段みんな義務としてやっているわけではなく、色とりどりのファッションを楽しんでいて、首から下はジーンズだったり結構セクシーな格好の場合もあります(ただしひざ上のスカートはまずあり得ないし、肘から上を出していることも稀です)。女子高生ファッションのようなもので、あれを「抑圧の象徴」などとほざいているサルコジは頭がおかしいです。わたし自身もかぶったことがありますが、とても安心するものです。服装というのは習慣に負うところが大きいわけですし、フランスなどで突然「スカーフ禁止」というのは、「明日からパンツはいちゃダメ」というようなもので、まぁパンツはかないでも死ぬわけじゃないですが(笑)、いきなり禁止されたらとても恥ずかしいしとまどうのが当然でしょう。わたしだって「明日からマイクロミニで出社しろ」と言われたら会社辞めます(笑)。
 一方、ニカーブというのは真っ黒で目だけが見えているもので、サウジなどでは外国人を含めた全女性に義務付けられています。A先生は「あれは義務ではないし、わたしは好きじゃない。時には顔が見えないことでニカーブを悪用する者もいる」とおっしゃっていましたし、わたしもちょっと怖いです。また、ニカーブをしているムスリマが必ず信心深いかというと、必ずしもそういうわけではないようです。
 ちなみに、ヒジャーブやニカーブをしているムスリマたちの写真を見ると、いかにもおしとやかに見えますが、実際はかなりアクティヴで、夜の公園でニカーブのまま子供とサッカーをしている女性もいました。動物園の木陰などでは、伝統的なヒジャーブ姿のおばあちゃんが地べたに座ってピクニックをしていたりします。良くも悪くも、大げさに捉えるべきものではないでしょう。
 続いてM先生の授業。
 最初に三十分くらい毎回テーマを決めて議論して、それからテクストに基づいた練習をしていきます。新出単語から速攻で例文を作る練習、穴埋め問題を口頭ですごいスピードで答えていく練習など、結構ハードです。時々うまいこと余談に誘導して、無理やり休み時間を作っています(笑)。今日は幸福に関するテクストの続きを中心に扱いました。
 授業の後、薬屋さんに寄ってからご飯を食べに行きました。
 乾燥と汗のかきすぎのせいか、脛のあたりの肌が荒れて、そこを無意識に掻くものだから傷になり、それがさらに痒みを呼ぶ、という悪循環に陥っていたので、薬屋さんで相談して、適当なクリームを買ってきました。あくまで薬屋さんなので、診断的なことを尋ねると、笑って「医者に聞いた方がいい」と言われました。
 ちなみに、薬屋さん(サイダリーヤ)はカクテルグラスのようなマークが定番で、最初は「ムスリムがほとんどの国でこんなにバーがあるのか!」とびっくりしたのですが、よく見たら薬局でした(笑)。
 昨日に続いてコシャリを食べたのですが、A先生と行った場所は込み入った場所にあってうまくたどり着けず、ギザ広場近くのأبو عمارという店に入りました。コシャリ小とウルズビラバンで4エジプトポンド。ウルズビラバンはちょっと甘すぎるかな、という感じでした(エジプトの甘味は大体全部甘すぎですが・・)。
 宿に帰ってネットをチェックしたいたら、A先生から「薬局ではちゃんと薬が買えた?」と電話が入る。お母さんからメールが入っていて、とても嬉しい気持ちになる。テレビのニュースで日本の集中豪雨が報じられていたけれど、お母さんのメールでも触れられている。「そっちではそういう災害はないんですか」とのことしたが、夏はほとんど一滴も雨が降りません(笑)。
 諸事情あって、長年家族ととても悪い関係にあったのですが、出発直前にお母さんと会って楽しく食事して、本当に良かったと思いました。愛するお母さんに神様のご加護がありますように。あ、お父さんもよろしく(お父さんごめん!)。
 今日は、初めて野良以外の犬を見ました。ペットショップらしき店に、マルチーズのような犬がいたのです。「目を合わせたらあかん」野良の人たちと違い、フレンドリーでした。
 野良の人たちも、見た目は結構可愛くて、大きい犬の方が好きなわたしにとってはタイプなのですが、お犬様の方はわたしのことが好きじゃないみたいです。

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